ながいよるに。
占い翻訳、本・映画の感想、自作小説、小説書くためのTIPS、イラストなど。好き勝手に書いてます。

 壁に白い糸が一本、付いていた。香奈はそっと摘んで捨てようとしたが、糸はするする引っ張られて長くなっただけだった。よくよく見れば壁に小さな穴が開いており、そこから糸は出てくるようだった。
 何となく気味が悪くなったが、そのままにしておくのも嫌だと思い、香奈は糸を引っ張った。するりするりとどこまでも糸が出てくる。
 糸はごく普通の手縫い糸のようだった。
 ――壁の中に糸巻きでも埋まっているのだろうか。
 壁に頭をくっつけて穴を覗き込んで見たけれど、奥は暗くて何も見えない。香奈は裁縫箱から空いた糸巻きを取り出して、糸をくるくる巻きつけた。糸巻きを巻きつけ終わってもまだ糸は途切れことがない。香奈はもう一つ糸巻きを取り出し、巻きつけた。糸を引っ張りながら巻きつけていると、まるで糸を紡いでいるような気分になる。少し楽しくなって、また一つ、また一つと糸巻きに糸を巻きつける。香奈のそばには白い糸巻きの山が出来た。やがて裁縫箱の空いた糸巻きはなくなってしまったので、香奈は厚紙を切ってそれに糸を巻きつけた。
 厚紙の糸巻きの山が出来るころ、不意に糸が重くなった。糸がなくなってしまったのだ。香奈は寂しくなった。壁の裏を調べようと、立ち上がり部屋を出て隣の部屋に向かった。
 するとそこには香奈の母がいた。
「おかあさん」
 香奈が呼びかけたがもう遅い。母はすっかりほどけてしまって、あとには細くなった芯ばかり。

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今日は「い」→「糸」。
ひきこもりニートを表現してみました(笑)
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 近所に小さな雑木林がある。私はそこを散歩するのが好きだった。厳しい暑さも去り、朝晩が冷え込むようになると尚のこと。一雨降るごとに気温は低くなり、木々は色付きはじめる。
 晴れた日には大気は乾き、足裏で落ちた葉が音を立てるのが楽しい。息を吸うたび、枯れた葉の、甘く懐かしい匂いが鼻腔をくすぐり、胸の締め付けられるような思いがする。
 ふと、気付くと私はいつもの道を外れていた。チチチ、と鳥の鳴き声を遠くに聞いたが、人の気配も車の音もしなかった。狭い雑木林のこと、私は不安に思うこともなく、いずれどこかに出るだろうと歩き続けた。
 さくさくと自分の足音ばかりが耳につく。どのくらい歩いただろうか、私はようやく違和感を覚え始めた。あまりに雑木林が広すぎるように思えてきたのだ。迷っているのか、それとも知らない道を歩いているという不安が時間を長く思わせているのか判断がつかなかった。
 そのとき数メートル先にある樹の陰に誰かが立っているのを感じた。彼だ、となぜか思い、走ってその樹の裏に回り込んだ。
 そこには誰もいなかった。
 そんな場所にいるはずがないだろうと冷静になって考えられたのはずっと後になってからだ。そのときは間違いなくそこにいて、私と彼の場所は繋がったと思った。急に走り出したせいで眩暈を覚えた。視界がぼやけ耳が聞こえなくなり四肢の感覚が遠のくなかで、私はその気配だけを強く思っていた。

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書く練習。
「あ」から順にテーマを決めて書いていこうと思います。続くか分からないけど。
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某掲示板で盛り上がっていて面白かったので、個人的にまとめ。

基本的には↓
大阪教育大学文芸部−小説作法

 ・段落最初の一文字下げ
 最後に病室で母と会話を交わしたのは由宇子だ。
 それは八月十三日のことで、広い一人部屋は奇妙に暑かった。母は暑いと訴え、由宇子も落ち着かずに空調を下げたりナースステーションに頼みに行ったりしたが、室内はじっとりと暑いままだった。

 ・ただし、括弧「」の前は例外。
「先生、呼んできて」
 午後も半ば、母がそう言い、由宇子は慌てて人を呼んだ。看護士たちがばたばたと母のベッドを取り囲むのを、母が自分の元を離れていくのをぼんやり突っ立って見ていた。

会話のヴァリエーションとして。
 午後も半ば、母が
「先生、呼んできて」
 と言った。由宇子は慌てて人を呼び、看護士たちがばたばたと母のベッドを取り囲むのを、母が自分の元を離れていくのをぼんやり突っ立って見ていた。

 ・例外の例外。会話を地の文に続ける場合。
 午後も半ば、母が「先生、呼んできて」と言った。由宇子は慌てて人を呼び、看護士たちがばたばたと母のベッドを取り囲むのを、母が自分の元を離れていくのをぼんやり突っ立って見ていた。

 食事をしている間もその後も隣人たちが珍しがって八木を見に来た。そのたびにサラは自慢げに八木を彼らに紹介した。「森の池のところに突っ立ってたのさ。ヤーグっていうんだ」


次に、人によって使い方の違うもの。
 ・括弧「」内の改行
「そうじゃないかい? だってこんな生っ白い子見たことないよ。地下かどこかに住んでたに違いない」
「祖母から話を聞いたことがあるよ。祖母が小さい頃にそんなことがあったらしいよ。
 何にしても帰ってきたのは良いことだよ。小さい人たちに贈り物をしないと」

 ・括弧「」内の改行時に、文頭に“「”がつく
「そうじゃないかい? だってこんな生っ白い子見たことないよ。地下かどこかに住んでたに違いない」
「祖母から話を聞いたことがあるよ。祖母が小さい頃にそんなことがあったらしいよ。
「何にしても帰ってきたのは良いことだよ。小さい人たちに贈り物をしないと」

他にもあるかな。知っていたら教えてください。

上記の例文引用は拙作から。↓
小説、絵本創作サイト:ながいよるに。
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こんなに文章書くのに悩んでるの初めてかもw

今までももちろん悩んでいたけど、とにかく「自信がない」という悩みでした。
今回は技術的なことを悩んでます。
つまり、今までは技術的に悩む余裕がなかったってことですかねw

というか、技術的なことに関しては、これまで強いテーマ……
「その話/文章を読むことで読者に特定の感覚を起こさせたい」
というのがあって、それが成功するか否かの実験でした。
一つの文・言葉で、どれだけ正しく書き手の意図した通りに読み手を動かすことができるか。

今回悩んでるのはプロットや全体の構成。
私は上のテーマを持っていたので、読者の感情に訴えかける描写……風景・情景描写を利用した文章が得意です。

で、今回それだけでは退屈かなあと、プロットを立てる段階で描写の濃淡が出るようにシーンを並べました。
最初に
 感覚に訴えかける濃密なアクションシーン、
次に
 説明かつ伏線としてのあっさりしたシーン。
これが書いてみると、ものすごく不自然に感じるw
やったことないからかもしれませんが、説明シーンが手抜きしてるみたい……
ちょっとあっさりしすぎなのかも。

迷ったので、一昨日あたりから掲示板や物の書き方サイトをいろいろ巡ってみました。
-小説の書き方講座-
↑のサイトは面白かったです。
いわゆる、エンターテインメント文学向けなので、ここで書かれていることがそのまま、純文学、ライトノベルと当てはまるわけではなさそうですが。

あと本を立ち読み。
今まで小説作法本は、もっぱら「小説を書こう」という動機を持続させるために読んでいましたが、一冊How to本買おうかなと思ったりしてます。
今日立ち読みした中で、地の文7割、会話3割というのがあって、「げえっ 孔明」と思いましたw
いやいや。
えーと。
私の文章は硬いし、読みにくいと言われます。
一つ一つの文章が長いわけではないけれど(たまに意図的に長々と書いたりするけど)会話がほとんどありません。
そういえば一時期、会話をまったく書かない文章を目指したこともアッタナ……
あと絶対体言止めを使わないとかww
自分の好みで、会話がない方が好きでそうしてたけど、ちょっと見直すことが必要かもと反省しました。
自分自身の好みも変化してきてるし、それに合わせて文体を変える必要があるかも。

↓今のBGM
 攻殻のGISのBGM好きで民族系好きとしては当たりでした。
Tag : 小説 書き方
 
文豪怪談傑作選という名に惹かれて、手に取ったこの一冊。↓
怪談より、「小説とは何か」というエッセイが面白かったです。


文豪怪談傑作選 三島由紀夫集。
怪談ものとして、タイトルにもある「雛の宿」という作品がかなり面白かったです。豊饒の海シリーズのような、幻想性と、主人公の知らないところから続いている因縁による破滅というテーマがとても美しい。血縁という関係性の暗さとか。
その他幾つか、ホラーというより、幻想小説として素敵です。日本の近現代のホラー小説は、どちらかと言うと、美しさを求めるところがあるせいかもしれません。
一番最初に載っている「朝顔」という話はあまり好きではないかもw 何だか笑ってしまう。
短編向きの小説家と、長編向きの小説家がいると思うけど、この「朝顔」を読んだとき、「三島由紀夫はやっぱり長編向きなのかなあ」と思ったりしました。「雛の宿」を読んで思いなおしたけど。
シェイクスピアのソネット30、
When to the sessions of sweet silent thought〜
で始まるのがありますが、これを読んだとき、なんかオチがついているようで笑ってしまいました。大好きな作品ですけど。今と詩に求めるものが違うせいだと思いますが、起承転結がはっきりしすぎているというか、結びに何か論理的な結論を求める傾向がある気がしました。三島由紀夫の「朝顔」はそんな作品だと思いました。

この本の最後に納められている「小説とは何か」で、三島由紀夫が「読者は小説に道徳性を求める」というのが、まさに上であげた「オチのある短編」じゃないかと思ったり。
「朝顔」でのオチは道徳的ではないけれど。

「英霊の聲」はタイトル通りの作品。戦争を題材にして思想的。三島由紀夫の願望かなあと思ったりしました。私は美化しすぎていると思うけど。

「小説とは何か」。
とても辛口に、小説を好きな人間と小説を書く人間について分析してます。これがとても面白い!
あー、分かる!と叫びたくなる。というのは、まさに私自身がその分析に当てはまる人間だと思ったから。そしてそうなりたくないと思ってる。
とても面白い本でした。物を書くことに興味あるなら、最後の「小説とは何か」をちら見するだけでも価値ありです。
Tag : 小説
 
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小説家志望。オカルト、ホラー大好き。
幻想小説書いてます。
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